3月8日(日)第75回びわ湖毎日マラソン大会が滋賀県大津市にて開催されました。
びわ湖毎日マラソンは、現在開催されているマラソン大会では国内最古と言われるほど歴史が古く、その参加資格や関門の閉鎖時間からもわかるように、エリートランナーだけが挑める日本屈指のマラソン大会です。
参加資格
A. 2019年度日本陸上競技連盟の登録競技者で、大会当日満19歳以上の男性競技者。
2017年12月1日以降、申込期日までに国内外の公認競技会で日本陸上競技連盟の登録者として
下記の記録を出した男性競技者。
1. マラソン:2時間30分00秒以内
2. ハーフマラソン:1時間10分00秒以内
3. 30㎞:1時間40分00秒以内
4. 20㎞:1時間05分00秒以内
5. 10000m:31分00秒以内
B. 日本陸上競技連盟が推薦する男性競技者。
競技方法
A. ワールドアスレティックス(WA)ならびに2019年度日本陸上競技連盟競技規則及び本大会規定による。
なお本大会は、WAが認定するゴールドラベルレースであり、
WA Road Race Label Regulations(WAロードレースラベリング規定)も適用される。
B. 各関門の閉鎖時間を次のとおり設定する。それ以降は、競技運営・交通警備上、競技を打ち切る。
◎15km地点 ……… 52分
◎20km地点 ……… 1時間10分
◎25km地点 ……… 1時間28分
◎30km地点 ……… 1時間48分
◎35km地点 ……… 2時間09分
◎40km地点 ……… 2時間30分
C. 各関門を通過後、次の関門閉鎖時間をオーバーすると思われる競技者及び競技役員が競技続行不可能と
判断した競技者は、途中でもレースを中止させる場合がある。
※第75回びわ湖毎日マラソン大会 大会概要より抜粋
しがでんランニングクラブのメンバーの中にも「びわ湖」を目指すランナーがいます。
今回は、その中で最も早くびわ湖の切符を手にし、見事完走を果たした岡久くん…いや、岡久広選手に!わたくし永田がインタビューをさせていただきました!
■岡久選手インタビュー■
まずは、びわ湖毎日マラソンお疲れ様でした!
はじめてのびわ湖、走ってみていかがでしたか?
とにかく楽しかったです。
滋賀大時代から出場を目標にしていた大会だったので、走れることが嬉しかったです。
▲カメラに手を振る余裕を見せる岡久選手
雨やスタートのトラブルなど、なかなかタフなレースだったと思いますが、
岡久くんは終始笑顔でしたね!キツイと思う時間帯はありましたか?
キツかったのはレースの40km以降です。
雨やスタートのトラブルに関しては、そこまで気にはならず、2月の京都マラソンが雨だったことや、普段のマラソンではスタート前に1時間弱並ぶことが多い中、今回はスタートの10分前に並べば良かったので、多少のトラブルはありましたが、直前までリラックスをして集中力を高めていました。
レースに関しては完走が目標だったため、関門のタイムとの差を随時確認しながら走っていました。
その後30km過ぎで完走は出来ると思い、少しでも良いタイムで走り切ろうと気持ちを切り替えました。
しかし、40km付近で右足のハムスト付近が痛くなり、2時間30分切れるかが怪しくなってからが精神的にキツかったです。
それを乗り越えるモチベーションはなんだったんですか?
今日のびわ湖で2時間30分を切れなければ、次回以降のレースでタイムを意識して走らないといけないので、出せるうちにタイムは出しておこうという思いがモチベーションとなりました。
また、自分が結果を残すことで、滋賀大時代のコーチでしがでんランニングクラブメンバーでもある横津さんや、ランニング仲間、家族、多少はタイムを気にしてくれていた方達に対して、成長した姿を見せられると思ったので、最後は何が何でも2時間30分を切ってやるという強い思いを持って走りました。
▲完走後の岡久選手。肩にはフィニッシャータオル!
その結果、2時間29分53秒で自己ベスト!
強い気持ちがあらわれている素晴らしいタイムです!
今年2月の丸亀ハーフでびわ湖の条件「ハーフ70分切り」を達成したんですよね。
びわ湖出場を決めたときの気持ちは?
嬉しいというよりはビックリしました。11月のハーフが76分台、1月のハーフが74分台だったので、丸亀ハーフでは72分台で走れたら上出来だと思って調整をしていました。ただ、年明けから練習の調子がかなり良かったので、せっかくお金と労力をかけて香川に来たからには、タイムにチャレンジしないともったいないと思い、上手くいけば70分切りを目標に走ったのが良かったのかなと思います。
いい感じにリラックスできていたんですね。
びわ湖が決まってからの約1ヶ月は、どんな練習をしましたか?
丸亀ハーフ以降は京都マラソン(2020年2月16日開催)があったので、まずはそれに向けて調整をしました。
京都マラソン後、びわ湖では集団のハイペースに付いて行って後半粘ることが大切だと個人的に思っていたので、限られた日数の中でスピード系の練習に力を入れました。
ふくらはぎの肉離れにより、想定していた練習はほとんど出来ませんでしたが、①20kmPRを3'30以内②2000m×3を6'20以内③10kmビルドアップ走を3'30〜3'10など、最低限のやりたいと思っていた練習はこなせたので、当日は何とかなると思い本番を迎えました。
普段の練習と違う点はありますか?
試合期のため練習量を減らし、その分スピードを上げ、体にキレを出すことを特に意識しました。そして体に不調がある時は無理せず休むことを徹底しました。
限られた日数だからこそ、無理せず休むという選択も大事なんですね。
普段の練習や体づくりで意識していることは?
走る前のウォーミングアップで腸腰筋や中臀筋、ハムスト周りなど、走る時に使う筋肉を刺激することで、スムーズに練習に臨めるように心掛けています。
練習面では残業等で帰りが遅い時は補強や200m×10などの時短メニューに変更し、時間がある時に集中して走り込むようにしています。
体づくりに関しては、これといった取り組みはしてませんが、よく食べてよく寝ることで心身共にリフレッシュ出来る様に心掛けています。
自分の生活に合った練習メニューを見つけて工夫しているんですね。
ところで、目標としている選手はいますか?
1人目が世界陸上で金メダルを獲得した競歩の山西利和選手です。
堀川高校時代の1つ下の後輩になりますが、目標に向けて地道に工夫をして努力する力は本当に凄いと思います。
次元は違いますが、彼のように地道な努力を続け、力を発揮すべき場面で爆発的なエネルギーが発揮出来るような選手、人間になりたいと考えています。
2人目はプロランナーの川崎友輝選手です。
直接関わらせて頂く機会は少ないですが、自分の可能性の限界にチャレンジされる姿には勇気付けられます。自分も川崎選手のように現状に満足せず、「大器晩成」をスローガンに何事にも挑戦出来る人になりたいです。
しがでんランニングクラブでも川崎選手の活動を応援しています。
ストイックに前を向いて挑戦する姿、本当にカッコイイですよね。
川崎選手のホームページはこちらhttps://yuki-kawasaki.com/
岡久くんがしがでんランニングクラブに参加するきっかけは何だったんですか?
滋賀大時代にコーチをしてもらっていた横津さんと2017年の夏に彦根でのリレーマラソンに参加したのがきっかけです。
僕が住んでいるのは京都ですが、メンバーみんなが出るような大会に出たり、イベントに参加させてもらったりしています。
▲2019年1月のリレーマラソン日本選手権にて(後列右から2番目が岡久くん 後列いちばん左が横津さん)
しがでんランニングクラブに参加していることで良かったと思うことはありますか?
色々ありますが、ランナーの輪が広がったことです。
今までは陸上競技はタイムや記録を追求するものだと思っていましたが、しがでんランニングクラブに参加させてもらうことで、ガチガチな競技環境からは少し離れ、肩の力を抜いて走ることが出来ます。
そういった環境があるからこそ、走る楽しさを忘れることなく競技に向き合えると感じています。
また、永田さんというライバルの存在や、仕事や育児をしながら走っている方も多くいらっしゃるので、色んな刺激を貰うことが出来るのが良かったことです。
あ、私の夫の名前を出していただけて光栄です(汗)
(本当に気配りのできる好青年!)
最後に、岡久く…岡久選手の次の目標を教えてください。
目先の目標は5000m 14分台です。
トラックでタイムを出し、リレーマラソンや大会でしがでんランニングクラブを盛り上げる存在になりたいです。そして秋以降はびわ湖毎日マラソンで自己ベスト更新を目指します!
岡久くんがびわ湖に出場、そして完走したということが、
ほかのメンバーの刺激にもなったと思います。
お忙しい中インタビューに答えていただいてありがとうございました☺
今後の活躍、期待しています!
インタビューを終えて
いつも笑顔で優しいイメージの岡久くん。インタビューも快く引き受けてくれました。
岡久くんのマジメで気配りができる紳士な人柄が溢れる記事になりましたね。
趣味と特技を聞いてみたらお弁当男子ということが発覚してさらに高感度UPでした(笑)
今回のインタビュー記事が、しがでんランニングクラブのメンバーや、多くの市民ランナーのモチベーションアップのお役に立てれば幸いです。
岡久広選手
1995年1月24日生まれ 25歳
■陸上歴
高校から陸上部に所属(4月で11年目)
■自己ベスト
ハーフ69'46(2020年香川丸亀国際ハーフマラソン)
フル2:29'53(2020年びわ湖毎日マラソン)
■趣味
弁当作り、読書
■特技
けん玉、卓球